物書堂の国語辞書アプリ比較〜日国vs大辞林vs三国vs新明国

「精選版 日本国語大辞典」が2017/1/31まで7800円→4800円のセールで話題です。

精選版 日本国語大辞典

精選版 日本国語大辞典

  • 物書堂
  • 辞書/辞典/その他
  • ¥8,000
App Storeのレビューには高評価が並んでいます。
その要因として、精選版ながら国語辞書界のラスボス的な日国が採用された点はもちろん、快適な操作性や機能性と手厚いサポートを提供されている物書堂がデベロッパーである点も見逃せません。
物書堂からはこの他にも「大辞林」「三省堂国語辞典」「新明解国語辞典」といった国語辞書アプリがリリースされています。
大辞林

大辞林

  • 物書堂
  • 辞書/辞典/その他
  • ¥2,700
三省堂国語辞典 第七版

三省堂国語辞典 第七版

  • 物書堂
  • 辞書/辞典/その他
  • ¥1,720
https://itunes.apple.com/jp/app/xin-ming-jie-guo-yu-ci-dian/id946807615?mt=8&uo=4&at=11lqq9

「それじゃあ、どれを買えばいいのか?」という方のために、これら4つのアプリについて比較してみました。

主要データ比較

まずは各アプリの主要データの比較。

日国 大辞林 三国 新明国
収録語数 約30万語 約26万5千語 約8万2千語 約7万7千語
通常価格 7,800円 2,600円 1,700円 1,900円
書籍価格 45,000円 6,800円 2,900円 3,000円
サイズ 323 MB 210 MB 74.4 MB 340 MB
出版社 小学館 三省堂 三省堂 三省堂
現ver. 1.0 4.1.1 1.4 1.2

出典は公式サイトの各アプリページです。

  • 日国は通常価格が断トツに高いですが、書籍版からの割引率も断トツです。
  • 価格に対する収録語数は大辞林が優勢。
  • 新明国のサイズが大きいのは音声ファイルによるものと考えられます。
  • 三国や新明国のように収録語数が少ない辞書は、より短いスパンで改訂可能なため、新語に対してのアドバンテージがあります。

検索画面

スクリーンショットは比較の都合上、文字サイズ最小、背景色白、文字色黒に統一して取得した上で、ステータスバーをカットしています。

日国 大辞林
三国 新明国
  • 手書き検索やパターンマッチなどの機能はいずれも使用可能です。
  • ヒット件数は収録語数の差異が顕著に現れています。ただし編集方針が異なるため、収録語数が少ない方の辞書にしか無い語句もあります。
  • 大辞林で「漢字」とあるのは単漢字を検索する機能です。読み方と意味に的を絞った漢字辞典といった感じ。

内容

日国 大辞林
三国 新明国
  • 日国は用例に何百年も前の作品が多く使われています。これが日国たるところですが、古典への関心が薄い人にとってはとっつきにくいかもしれません。
  • 大辞林では四角囲み数によりでアクセント位置を確認できます。また親/子項目や対義語などにリンクが貼られているのでタップだけで遷移できます。
  • 三国は分かりやすさ、使いやすさという面で強み。用例も古典からの引用ではなく、現代で使われるような文章が用いられているので想像しやすく馴染みやすいのが特徴。
  • 新明国はアクセント位置に加え、再生ボタンで発音も確認できるので、発音面で盤石。ユニークな語釈で知られる新明国ですが、比較的正統派な語釈も多いです。

インデックス

パネル化された二次元インデックスで様々な言葉に次々と触れられるのは物書堂の国語辞書の醍醐味。
であるとともに、辞書にどんな分野の語や解説が掲載されているかという点においても参考になります。

日国 大辞林*1
三国 新明国
  • 日国は古来からの作品ごとに用例がまとめられている主要出典、語の由来や変遷などについて述べた語誌が見所。この辺りは文学を学ぶ方々にとっては垂涎の的かもしれません。
  • 大辞林はオールマイティなインデックス。百科事典的に色々な事項に触れられるので飽きません。
  • 三国は社会常識語や書き分け注意語といった、語を現代で使おうとする時に必要なインデックス。今すぐ社会で役立ちそうな内容です。
  • 新明国の「字音語の造語成分」はある漢字が音読み熟語の中でどのような意味合いで使われているかを示すもの。その他はややオーソドックスな分類。

設定画面

日国 大辞林*2
三国 新明国
  • 背景色は日国が白/黒、大辞林が白/黒/セピアを指定可能です。
  • 発音のある新明国には音量の設定があります。
  • その他の項目は共通です(カラー、本文の文字サイズ、一覧の文字サイズ、検索文字を消去、シェイクで消去、クリップボード検索、ブックマークを同期、日本語キーボードを優先)

まとめ

総括すると

  • 語の歴史や文学作品に興味があり難しい語句も調べ倒したいなら日国
  • オールマイティに調べたければ大辞林
  • 現代語を分かりやすく説明してもらいたいなら三国
  • 発音を確認したり穿った見方の説明が読みたければ新明国

といったところでしょうか。
もちろん、この記事では紹介しきれない良さがどの辞書にもありますし、アップデートにより機能や内容が改善されている可能性もあるので、あなた自身の目でご確認を。

ついでに検索アプリで使える拙作の物書堂辞書アプリURLスキーム作成ツールもどうぞ。

*1:途中で切れてますが全体は以下の通り:すべて、五十音、人名、動物、四字熟語、外来語、季語、地名、植物、故事成語擬声語・擬態語、ABC略語、作品名、芸術・芸能、慣用句・ことわざ、名数、凡例・その他

*2:こちらも途中で切れてますが下部は他と同様です。